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イタリア町めぐり

「下の町」から「上の町」が霞んで見えている 地図


 ベルガモは、ミラノからは列車でもバスでも1時間程度の距離にあるが、ミラノとはまったく違った雰囲気を持っている。
  それもそのはずで、一時はミラノのヴィスコンティ家の支配下にあったものの、15世紀から18世紀末まで、長くヴェネツィア共和国の領土だったのである。その立役者が、15世紀に登場した隊長バルトロメオ・コッレオーニである。

  さて、観光の中心である丘の上のチッタ・アルタ(あるいはベルガモ・アルタ--日本風にいえば上ベルガモ--)は城壁に囲まれ、中世の面影を色濃く残す町である。バルトロメオ・コッレオーニの巨大な礼拝堂と墓所もここの中心部にある。
  チッタ・アルタはたいして広くないので、1時間もあればまわることも可能だ。ミラノ滞在に飽きたら、ぜひとも訪れてほしい町である。


「チッタ・バッサ(下の町)」から「チッタ・アルタ(上の町)」に登るケーブルカー。

1996.07

ケーブルカー


 世間では、チッタ・アルタが旧市街で、チッタ・バッサが新市街ということになっているが、トップの写真を見ればわかるように新市街も十分に古い。
 時間と体力があれば、駅を出たら正面の丘の上にチッタ・アルタを見ながら、30分ほど駅前通りをぶらぶら歩いていくのもいい。すると、道が右にカーブしたところでケーブルカー(フニコラーレ)の乗り場が見えてくるはずだ。ケーブルカーに乗れば、すぐにチッタ・アルタに到着する。


ヴェッキア広場
▲「チッタ・アルタ」の中心ヴェッキア広場。  1985.12

15世紀の建築家アマーデオの傑作・コッレオーニ礼拝堂。左はサンタ・マリア・マッジョーレ教会  1985.12

コッレオーニ礼拝堂


 そんなに歩きたくないという人は、駅前から市内バスに乗る。「Funicolare」という文字を頼りに、バスを探すといい。それも心配だという人は、近くにいるイタリア人をつかまえて、「フニコラーレ、フニコラーレ」と騒げば、適当なバスを教えてくれるだろう。たぶん。
 バス路線のなかには、遠回りをしてそのままチッタ・アルタの城壁の中に入るものもあるようだ。でも、せっかくだからフニコラーレに乗ることをお勧めしたい。別に、香港のケーブルカーほどおもしろくはないけれど。


チッタ・バッサを望む

ポルタ・サン・ジャコモ(聖ジャコモ門)をくぐると、「チッタ・バッサ」が一望できる。

1996.07



 チッタ・アルタの城壁をくぐると、もうそこは別世界。ヴェッキア広場に立っていると、いつの時代に迷いこんでしまったのだろうという気がしてくる。文字通り「古い広場」である。
 あとは中世の面影を色濃く残す路地を歩きまわったり、おしゃれな店のショーウィンドーを眺めたりするのがお勧め。狭い町だから、道に迷ってもすぐにもとに戻ってくるはずだ。
 そして、疲れたらヴェッキア広場のバールで休めばいい。もう。その場所にいるだけで、ぜいたくな気分になってくることだろう。
 ベルガモは、北イタリアにある珠玉の町の1つである。


●所在地
ロンバルディア州ベルガモ県(県都)
●公共交通での行き方
・ミラノ中央駅発ベルガモ行き(トレヴィーリョ経由)で所要1時間。約1時間おき。
・ミラノ・ポルタ・ガリバルディ駅発ベルガモ行き(カルナーテ経由)も所要1時間。約1時間おき。

●見どころ
・丘の上に広がるチッタ・アルタの古い街並み。
・音楽好きの方は、チッタ・バッサにあるドニゼッティ劇場に。

●老婆心ながら
ベルガモ(Bergamo)の形容詞形はベルガマスコ/ベルガマスカ(Bergamasco/a)。フランス語ではベルガマスク(Bergamasque)となり、ドビュッシーの「月の光」を含むピアノ組曲「ベルガマスク組曲」の名は、ベルガモ風の舞曲に由来しているという。
ポルタ・サン・ジャコモ チッタ・アルタのポルタ・サン・ジャコモ(聖ジャコモ門)。
 1985.12

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