カラブリア(カラーブリア)州は古代ギリシャ時代に数々の植民都市が築かれ、その海岸線に沿った地域は、マーニャ・グレーチャ(Magna Grecia--大ギリシャ)として知られている。なかでも、南部のイオニア海側の地域には、いまだに日常会話としてギリシャ語の方言であるグレカニコ(Grecanico)を話す人びとがいる。 |
町の中心の小さな広場には、小さなバールがあって、ひまそうな数人の男性が昼からビールを飲んでいた。 2006.10 |
広場の近くに静態保存されている蒸気機関車。もちろん、この山の上の町に鉄道が走っていた歴史はない。くねくねと続く山道を、どうやってこんな大きな蒸気機関車を運んできたのだろうか。 2006.10 |
それは、10月とは思えないほど暑い正午過ぎのことであった。当初の計画では、ここから1日3往復のマイクロバス(その後廃止)でボーヴァに向かい、帰りはぶらぶらと3時間ほどかけて下ってこようという計画であった。 |
山の頂上に位置する城砦は、中心部の広場から仰ぎみると、真上にあるといって過言ではなかった。まさに登山である。 2006.10 |
まずは1軒しかないバールで水を調達。その店の前に、男性が数人、椅子に座ってのんびりとビールを飲んでいた。なかでも目が釘付けになったのが、白いあごひげを長く垂らした風格のある老人。このページの2枚目の写真である。 |
町の街路を示す看板。上から、ギリシャ語、グレカニコ(ギリシャ語の現地方言のラテン文字表記)、イタリア語の順に記されている。 *写真にポインタを合わせると看板を拡大します。2006.10 |
町を歩いてまず目に入ったのが、建物や街路の名称を示す看板。上の写真のように、3つのことばで記されているのである。一番上がギリシャ語、下がイタリア語。そして、真ん中にあるのがグレカニコ--つまりギリシャ語カラブリア方言である。イタリア語と同様にラテン文字で表記されているが、発音はギリシャ語とほぼ同じようである。 |
町の上部を走る細い道。おそらく、この町でも古い街路の一つなのだろう。 2006.10 |
ただでさえ昼休みで人がいない上に、とんでもない暑さ。道で出会ったのは、水道だかなんだかの工事をしていた数人の男性だけだった。 |
たくさんある教会のなかでも、かわいくて小さな教会。 2006.10 |
ひいこら言って急坂を降りてくると、そこで出会ったのが北イタリアから来たというインテリっぽい中年の男女3人連れ。どうやら、男性一人が案内役のようである。 |
●所在地 カラブリア州レッジョ・カラブリア県 ●公共交通での行き方 ・レッジョ・カラブリア駅からイタリア鉄道でボーヴァ・マリーナへ40分。駅前からタクシーで20分弱。バス路線はない。 ●見どころ ・城砦から見るカラブリアの荒涼とした山並み。 ・ギリシャ文化を色濃く残した教会、ギリシャ語をいまだに使う人びと。 ●老婆心ながら かつてボーヴァ・マリーナ駅からバス便があったが、現在は走っていないようである。 |
城砦からは荒涼としたカラブリアの風景が眺められる。写真右奥には、かすかにシチリアのエトナ山とその噴煙が見える。その手前にある山の上の小さなでっぱりは、ペンテダッティロ(Pentedattilo)の岩山。 2006.10 |
2010年6月作成 |
おまけ: |
翌年のボーヴァ行きを決心させた、感動的な町の遠景。ほんのわずかの間、列車から眺めることができた。 2005.11 *写真にポインタを合わせると町の姿を拡大します。 |
■トップページ | 「イタリア町めぐり」目次に戻る■ |
ツイート |