世界遺産の町マテーラから、バジリカータ州の州都ポテンツァまでは、谷を走る高速道路を経由するのがごく一般的なルートである。鉄道の路線もそこを通っている。だが、眺めのよさを楽しみたいのなら、なんといっても丘上都市をめぐりながら、尾根をたどる道だ。 |
こんな小径(?)もある。旧市街に通じる橋。 2002.7 |
それにしても、軽い気持ちでやってきたこの町だったが、かなり複雑な歴史をもっていることを知った。実際、この町にはイタリア南部をかつて支配していたアラブ人やノルマン人の影響が色濃く残っている。 |
▲昼なお暗い道を歩いていくと、急に開けた場所に出る。 2002.7 |
▼カスバのような旧市街は、アラブ支配の時代を色濃く残しているという。 2002.7 |
帰りのバスまでは4時間もあったので、ゆっくり町を歩きまわり、あちこちでネコの相手をして時間をつぶした。それでも、時間は余る。まあ、腹も減ってきたので、町の中心の小さな広場にある小さなバールに入ろうということになった。 |
丘のふもとから中心部を眺める。 中央右手にある塔が、「ノルマンの塔」。 2002.7 |
さて、店の外に置かれたテーブルでビールを飲むことにした私たちだが、ふと周囲を見わたすと、どこからやってきたのか、何十人というおじさんたちが、狭い広場のここかしこにたむろしているではないか。時計を見ると12時をまわっているが、何を食べるでもなく飲むでもなく、ただしゃべっているだけ。 |
●所在地 バジリカータ州マテーラ県 ●公共交通での行き方 ・マテーラから、SITA社のバスが平日のみ3往復。所要約1時間30~45分(経由地によって異なる)。 ・ ポテンツァから、SITA社のバスが平日のみ1往復(ポテンツァ行きは早朝)、TITO TRASPORTI社のバスが平日3往復・休日1往復(夜)。所要約1時間。 ●見どころ ・入り組んだ路地がアラブ時代の面影を残す旧市街。 ・大聖堂とノルマンの塔、サラセンの塔など。 ●老婆心ながら 田舎にしては規模が大きい町だが、レストランやトラットリーアのたぐいがないので注意。バールも数えるほど。 |
トラクターの荷台に乗せられた新郎新婦。広場を一周して去って行った。 *画面にポインタを合わせると、車を乗り換えた新郎新婦が……。 2002.7 |
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