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定点写真でめぐる東京と日本の町並み
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東京と日本の町並み

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鉄道黄金時代1970'
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西鉄 福岡市内線

博多駅前 ▲博多駅前をゆく507号車。渋い塗りわけが魅力。1973/07

---- 九州の中心都市を走っていた路面電車 -----
 西日本鉄道(西鉄)福岡市内線は、最盛期には30キロを越える路線網をもつ路面電車であった。ここを訪れたのは1973年7月。すでに一部の廃止がはじまっていたころである。この日の気温は36度を越え、日なたはさらに暑かった。そんななかで、かろうじて残したのがこれらの写真である。
 残った路線も、徐々に廃止が進み、1979年にはとうとう全線が廃止となった。訪問:1973年7月


博多駅前▲博多駅近くをゆく500形572号車。バックに写っている太陽銀行は、その後、太陽神戸銀行になり、太陽神戸三井銀行になり、さくら銀行になり、三井住友銀行になった。
1973/07


西新の交差点▲西新の交差点で信号を待つ605号車。路面電車廃止後、道路の拡幅があり、周囲の様子はすっかり変わってしまった。ただ、バックの佐賀銀行のビルだけは2020年現在も健在。
1973/07


今川橋停留所▲西新のすぐそば、今川橋停留場に到着した連接車1104号車の姪浜行き。福岡市内線廃止のあと、連接車は大量に北九州市内線に移動することになる。バックの町並みがいい感じ。
1973/07


今川橋停留所▲同じく、今川橋に停車中の571号車博多行き。側面には、「ビクター4チャンネルステレオ」の広告が。
1973/07



 それにしても暑かったこの日、高校生の私にとって印象に残った情景がある。
 一人は、市電のなかで胸をはだけて、赤ちゃんにおっぱいをあげている女性。以前には、東京でもよく見かけたが、久しぶりに目にしたのである。だが、こんな古きよき情景も、いつのまにか目にすることがなくなった。
 もう一人は、駅構内の食堂で食事をとっていたときに見かけた「おかま」の女性(?)。いまでこそ珍しくないが、当時はびっくりしたものである。女性の和装をしているのだが、体格がかなりよく、しかも周囲に響きわたるダミ声がアンバランスであった。「さすが博多だ」と思ったものである。連れは50代後半とおぼしき男性2人であった。それにしても、なぜ駅構内の食堂で……?


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