西鉄 福岡市内線
---- 九州の中心都市を走っていた路面電車 -----
西日本鉄道(西鉄)福岡市内線は、最盛期には30キロを越える路線網をもつ路面電車であった。ここを訪れたのは1973年7月。すでに一部の廃止がはじまっていたころである。この日の気温は36度を越え、日なたはさらに暑かった。そんななかで、かろうじて残したのがこれらの写真である。
残った路線も、徐々に廃止が進み、1979年にはとうとう全線が廃止となった。訪問:1973年7月
それにしても暑かったこの日、高校生の私にとって印象に残った情景がある。
一人は、市電のなかで胸をはだけて、赤ちゃんにおっぱいをあげている女性。以前には、東京でもよく見かけたが、久しぶりに目にしたのである。だが、こんな古きよき情景も、いつのまにか目にすることがなくなった。
もう一人は、駅構内の食堂で食事をとっていたときに見かけた「おかま」の女性(?)。いまでこそ珍しくないが、当時はびっくりしたものである。女性の和装をしているのだが、体格がかなりよく、しかも周囲に響きわたるダミ声がアンバランスであった。「さすが博多だ」と思ったものである。連れは50代後半とおぼしき男性2人であった。それにしても、なぜ駅構内の食堂で……?
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