page 1 2 |
目の前に畑が広がる上笠田駅 |
-- 大私鉄から中小私鉄へ移管された軽便鉄道 -- 近畿日本鉄道(近鉄)北勢線は、西桑名駅を起点として阿下喜(あげき)に向かう20.4キロの路線である。西桑名駅は、現在では近鉄名古屋線とJR関西本線の桑名駅のすぐそばにあるが、以前はもっと離れた場所にあった。ちなみに、桑名駅よりも南東にあったのに西桑名という名前がついているのは、桑名の中心部より西にあるという意味である。 一時は廃止が検討されたが、現在では三岐(さんぎ)鉄道に移管され、三岐鉄道北勢線として運行されている。 この路線で特徴的なのは、なんといっても線路の幅が762ミリしかない軽便鉄道ということ。2004年現在、この軌間(線路幅)で現存している一般の旅客鉄道は、ここのほかに近鉄内部・八王子線と黒部峡谷鉄道があるだけだ。 大私鉄の近鉄が、そんな軽便鉄道の建設したのかと思うところだが、実は大正3年(1914)に北勢鉄道という会社が開業したものである。1944年に合併して三重交通の一路線となり、1965年に近鉄に吸収合併された後も、そのままの軌間で残されたというわけだ。 さて、私がここを訪れたのは1977年3月。大学に入ってはじめての春休みである。関西の親戚宅に行くという友人と2人でやってきた。 訪問:1977年3月 |
旧・西桑名駅を発車する列車。旧駅は、現在の西桑名駅よりも、南側にあった。 モニ225(JR式でいえばモハニ)は、踏み切り事故のために、正面2枚窓に改造された車両。 |
旧・西桑名駅を出たところにある踏み切り。駅員(?)が遮断器を下ろしている。 |
最前部から前方を眺める。よく見ると、運転台が左右の中央に設置されていることがわかる。 |
車内の風景。ナローゲージだけあって、車体の幅はかなり狭い。 ▼ |
||
▲ 七和駅で駅員と連絡をとる運転士。右側通行であることがわかる。 |
page 1 2 | 次ページへ ▼ | |
■トップページ | 「私鉄ローカル線を訪ねて」表紙■ |