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定点写真でめぐる東京と日本の町並み
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東京と日本の町並み

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岡山臨港鉄道

大元駅付近のキハ1003 ▲大元駅を発車して岡南元町に向かうキハ1003。1977/03

---- 岡山の港に向かう小さな臨港鉄道 -----

 私たちの世代、小学校の社会の教科書に必ず取り上げられていたのが、児島湾の干拓事業である。当時は、どこにあるのかピンと来なかったのだが、まさにその干拓地あたりを走っていたのが、この岡山臨港鉄道である。国鉄宇野線で岡山駅から1つ目の大元駅を起点にして、岡山港まで走っていた約8kmの貨物主体の鉄道だった。
 もっとも、当時はあまり食指が動かず、九州に行くついでに岡山で下車し、大元駅近くで走行写真を1本撮っただけである。今思うと、もっと時間をかけて全線乗って撮っておけばよかったが、まあ鉄道趣味なんてそんなことの繰り返しなのだ。ちなみに、当時の旅客営業は岡南元町までに短縮されていた。訪問:1977年3月

大元駅をあとにするキハ1003▲左奥に地平時代の大元駅のホームが見える。 左側の線路は国鉄宇野線。
1977/03


のどかな沿線風景▲後追い写真。当時は、のどかな雰囲気だった。
1977/03

腕木式信号機▲岡山臨港鉄道では腕木式信号機が使われていた。
1977/03

 結局、2度目の訪問を果たすことはできず、列車に乗ることもかなわず、岡山臨港鉄道は1984年末に廃止されてしまった。
 一方、大元駅を通る宇野線は、JR移管後の1988年、瀬戸大橋の開通によって四国に向かう大動脈となった。同時に、JR大元駅周辺は岡山市のベッドタウンとして宅地開発が進み、さらに2001年には駅が高架化された。岡山臨港鉄道の線路跡は遊歩道となって残っているものの、高松行きの特急から眺めた大元駅付近の風景はすっかり変わっていた。


2020年3月公開

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