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蔵出し鉄道写真館
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上野駅帰省列車 (1972年12月)


上野駅地平ホーム 上野駅地平ホーム
 

今風に言えば鉄道小僧の"走り"のような存在で、カメラを持って上野駅にちょくちょく出かけていた私だったが、徐々に車両を撮るだけでは飽き足らなくなってきた。
興味を持ったのは、上野駅を利用する人びとである。東京駅や新宿駅とは違って、長距離列車を利用する人は東北地方のふるさとを強く感じさせた。とくにその雰囲気が濃くなる年末に、地平ホームに向かった。

当時の年末の上野駅は、駅前に列車待ちのための「テント村」ができるほどの混雑だった。左の写真の中央には、列車名と待ち合わせ場所が記されている。それほどの大混雑が予想されない列車は、左の写真の人たちのようにホームに並ぶことになっていた。
右の写真のおじさんが背負う段ボールには、ふるさとのお土産が入っているのだろうか。拡大してみると、サンヨー製の電気炊飯器のようである。


上野駅地平ホーム 上野駅地平ホーム
 

地平ホームのには荷物専用のホームがあった。これは、当時の17番と18番ホームの間にあったものだと思う。左の写真の車両には、郵便車を示す「〒」のマークが見える。
荷物車や郵便車が到着すると、たくさんの職員が積み下ろしをする光景が見られたものだった。そして、市場でよく見るようなターレット(右写真)が、荷物を載せたカートを運んでいくのだった。


上野駅地平ホーム 上野駅のEF58
 

左の写真は、地平ホームの東端に位置する20番線。常磐線の特急「ひたち」が発車を待っている。
右は、たぶん高架ホームのEF58。当時、上野駅に乗り入れる客車列車を引くのは、直流機関車がEF57かEF58、交直両用が常磐線のEF80だった。のちに人気の出るEF58だが、このときは珍しくもなんともなかった。
それでも、手前に柱も障害物もなく、いかにも写真に撮ってくださいというばかりの位置に停まっていたので、撮ったのがこの写真である。


2014年8月作成



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