トップページ
とりあえず写真館


急行「桜島・高千穂」(1973年)

東京駅の「桜島・高千穂」
 

 高校1年生の夏、夏休みがはじまると、その翌日に数人の友人たちと九州に出かけた。山陽新幹線がまだ岡山までしか達していなかった当時のこと、我々は東京駅午前10時発の急行「桜島・高千穂」に乗って、勇躍九州に向かったのである。もちろん、貧乏旅行しかできない身ゆえ、均一周遊券で乗れる急行列車を利用したというわけだ。
  それにしても、真夏の東海道・山陽本線を、エアコンのない客車での東京~門司間10数時間の旅は、高校生とはいえ、さすがにこたえた。広島あたりを過ぎると、「もう少しだ、がんばれ。もう着いたも同然だ」と励まし合ったものだった。列車は、さらに鹿児島本線経由の「桜島」と日豊本線経由の「高千穂」に分割されて西鹿児島(現・鹿児島中央)まで走り、時間のかかる「高千穂」のほうは、東京からの所要時間が約28時間だった。

  ところで、この写真を東京駅で写した前後に、50歳くらいのおじさんに、「この列車は……に行くか?」と聞かれた。不明瞭な発音で、3回ほど聞き直したのちに、ようやくそれが「トス」であり、さらに数秒ほど考えて、それが「鳥栖」だと理解できた。まさか東京駅で、はるか鳥栖のことを聞かれるとは思わなかった。ちなみに、鳥栖にいくのは鹿児島本線をゆく「桜島」の編成である。「高千穂」のほうに乗ると小倉で日豊本線に入ってしまう。
  まあ、東京駅でそんな質問にこたえることができたのは、私と乗務員を除いてはそういなかったに違いない。いまも、これは私の自慢である。それにしても、そんなことを駅員でなく一介の乗客(しかも高校生)である我々に聞くおじさんもおじさんである。いまごろ、あの人はどうしているだろうか。





■「よろず話」トップページに戻る | 「とりあえず写真館」表紙に戻る■