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中央本線の塩山駅からバスで一時間あまり、西沢渓谷は東京近郊のハイキングコースとして有名な場所である。ここに森林鉄道の跡があるという話は、その筋の人間にとって常識(?)であった。 というわけで、新宿発の夜行列車に乗って出かけたのである。よく考えると、このときは予備校生の夏休み。まあ、気分転換のつもりで出かけたのだろう。 塩山着はたしか3時前だったような気がする。ここで、夜が明けるのを待ち、始発のバスに乗ることにした。駅周辺は、各方面への始発バスを待つ山男たちでごったがえしていた。そんななかに、ショルダーバッグをかかえてぼんやりしている私は、まるで場ちがいな存在である。 |
場所によっては道床が流されてしまったところもあったが、原形を残している区間も多く、いまにも運材列車が走ってきそうな気がした。 |
所在地: 山梨県東山梨郡三富村 訪問日: 1975年8月 Nishizawa forest railway |
軌道跡はバスの終点の対岸にある。 恐い吊り橋を渡り、いよいよハイキングコース兼軌道歩きが始まるのであった。 |
ハイキングコースは、吊り橋で渡った地点から上流に向かっていく。 軌道跡はここから下流(塩山側)にもあったが、ダム建設のために通行止めとなっていた。 右側の看板には、「廃軌道のため、危険につき、通行を禁ず」との表示。 左側の看板は、「発破作業のお知らせ」。 |
この日も、ハイカーがずいぶんいた。犬までいた。やっぱり、ここはリュックサックかナップザックで来るところらしい。 少なくともこの日は、軌道跡の写真を撮っている酔狂な人間は見かけなかった。 それにしても、こんな山のなかにレールがあることに、みんなは不審を抱かないのだろうか。 |
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