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不思議な町が多いイタリアの南部でも、マテーラの旧市街「サッシ」ほど変わったところは、ほかにない。石灰岩に掘られた横穴式住居の上に家が建てられ、そのまた上に家が積み重なり、もうどこからどこまでが山でどこまでが家なのかもわからないほど、岩山と家々が渾然一体となっている。 |
サッシが見渡せる展望台。昔からの顔なじみなのか、夕方、3人のおじさんが飽きずに眺めていた。 *写真にポインタを合わせると……。 2002.9 |
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夜明けのサッシ。中央の岩山のすぐ下には、サンタ・マリーア・デ・イドゥリス(S. Maria de Idris)教会が見える。写真の左端はサン・ピエトロ・カヴェオーゾ(S. Pietro Caveoso)教会。 2002.9 |
2002年9月、マテーラ中央駅の地下ホームから外に出たとき、妻はこの上なく不機嫌であった。それは、ただ疲れていたからだけではない。前日まで滞在していたアルベロベッロの浮世離れした町の様子にくらべて、あまりにも平凡な町並みが広がっていたからだ。 |
土産物屋やレストランなど、観光客相手の仕事をしている人を中心に、サッシに徐々に人が戻ってきた。 2002.9 |
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マテーラの歴史については、ガイドブックやネットの解説に書かれているので省略するが、かつて「サッシ」は南イタリアの貧困の象徴とされ、「国の恥」(vergogna nazionale)とまで呼ばれる存在だった。そして、1960年代には1万5000人の全住民に対して、新市街への移住が命じられたというのは有名な話である。 |
![]() ▲車の通らない旧市街の細い道や階段は、もちろんネコの天国だ。 2002.9 |
▼マテーラ名物(?)。階段を昇り降りする自動車。これじゃネコもくつろげない。 2006.10 ![]() |
その「本当の魅力」の1つは、食材のよさである。 |
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グラヴィーナ(Gravina)峡谷に沿って広がる「サッシ」の全景。 2006.9 |
もう1つのマテーラの「本当の魅力」--それは、この町の人の人情である。 |
●所在地 バジリカータ州・マテーラ県(県都) ●公共交通での行き方 ・バーリから私鉄アップロ・ルカーネ鉄道で1時間半(一部列車はアルタムーラで乗り換え)。平日のみ運転。 ・ターラントからSita社のバスで1時間半。平日のみ6往復。 ・イタリア鉄道メタポント駅前からSita社のバスで40分。平日のみ3往復。 ●見どころ ・グラヴィーナ峡谷に沿って広がる「サッシ」 ●老婆心ながら 旧市街はサッソ・バリサーノとサッソ・カヴェオーゾ地区に分かれている。 サッシはサッソの複数形で、もともとの意味は「岩」。サッシの発音は、うるさく言うと「サッスィ」。 |
![]() 比較的新しい家も交じるサッソ・バリサーノ(Sasso Barisano)地区をドゥオーモ前の広場から眺める。携帯電話で話す後ろ姿も絵になる……? 2002.9 |
2007年2月作成 2008年12月一部写真入れ換え |
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