日本地図上の位置 尾小屋の位置
石川県 金沢
石川県 尾小屋
日本の町並み

尾小屋(石川県)

尾小屋は小松市の南方に位置する山中の町だ。なぜこんな町に2年連続で訪れたかというと、尾小屋鉄道という日本最後の非電化軽便鉄道が走っていたからだ。
 銅の産出で栄えた尾小屋の人口は、明治の最盛期には5000人を数えたという。その後、1956年に尾小屋町は小松市に編入。当時3000人以上あった人口は、1971年の尾小屋鉱山の閉山とともに減り続け、1977年3月には尾小屋鉄道も廃止された。小松市の公式サイトによれば、2020年11月現在、尾小屋町の人口は全地区を合わせて18世帯29人だそうである。
 尾小屋鉄道廃止直前の尾小屋の町の様子に加えて、尾小屋鉱山跡も紹介したい。

1976年7月、1977年3月撮影
Ogoya Town, Komatsu City, Ishikawa Prefecture

キャプションの数字は撮影地点の緯度、経度、撮影方向(真北が0°で時計回り)

尾小屋駅の南側

尾小屋駅から鉱山に向かって400mほど南下したあたり。このころは、まだ商店もあって、人もずいぶん住んでいた。現在、このあたりは数えるほどの家が残るのみで、更地になった場所には灌木が生い茂っている。

36.297040, 136.533611
120°

1976/07

尾小屋の町の南端あたり

上の写真から約50mほど北側。この写真に写っている範囲にも、人が住んでいる人がほとんどないようで、寂しい風景となっている。

36.297246, 136.533192
315°

1976/07

尾小屋鉄道の尾小屋駅

廃止前の尾小屋鉄道の尾小屋駅。三角屋根がおしゃれ。この年は大雪のため、途中からバス代行輸送となっていた。左にちらりと見えているのは電話ボックス。

36.299143, 136.529367
255°

1977/03

尾小屋駅前

尾小屋駅から表通りに出たところにあったタバコ屋。観光用ではなく、昔ながらの郵便ポストが残されていた。

36.299150, 136.529356

1977/03

南東の高台から尾小屋の集落を望む

町の南側の高台から尾小屋の町並みを望む。かなり立派な町並みだったことがわかる。手前の石垣のように見えるのは、銅山の廃棄物を再利用したカラミレンガでつくられたもので、六角形に成形されている。今は、この近くに「尾小屋鉱山資料館」と「ポッポ汽車展示館」があり、後者には尾小屋鉄道で活躍した車両が保存されている。

36.296063, 136.536481
285°

1976/07

南東の高台から尾小屋の集落を望む

上の写真の翌年に撮ったもの。上の写真の中央に見える家が、この写真では中央やや右に見える。Googleストリートビューを見ると、現在この場所には木が生い茂り、下を見わたすことはできないようだ。

36.299143, 136.529367
255°

1977/03

尾小屋鉱山の跡

町を抜けて、すでに廃鉱になった尾小屋鉱山に向かうと、山の斜面のあちこちにこうした煙突が残っていた。手前の煙突は角形、奥の煙突は丸形である。銅の精錬で出た亜硫酸ガスのためか、周辺ははげ山になっているが、現在では木々が青々と繁っている。

36.295036, 136.536575
300°

1976/07

尾小屋鉱山の跡

尾小屋銅山の跡。その後、この窪地は埋められ、今では木々が生い茂っており、まったく面影はない。写真の正面奥に尾小屋の町がある。

36.294305, 136.536978
330°

1976/07

尾小屋鉱山の跡

上の写真とほぼ同じ場所から、反対側(上流側)を望む。鉱山の建物らしきものが見えるが、すでに崩れている。右奥のダム(砂防ダム?)は今でもGoogleストリートビューで、この位置に見ることができる。

36.294413 136.536973
60°

1976/07

2020年11月公開


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