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私鉄ローカル線
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タイトル

旧・細倉駅で発車を待つM15形電車
旧・細倉駅で発車を待つ石越行きのM15形電車。
ホームの高さが途中で変わっていることに注目。
 1983.7


---- 細倉鉱山とともに発展して消えた東北の小私鉄 ----

 改称、改軌、電化といった変遷を繰り返した鉄道は珍しくないが、宮城県の北部を走るこの路線ほど、変化に富んだ歴史をもっている中小私鉄では少ないだろう。
 1918年に栗原軌道として開業して以降、社名は栗原鉄道、栗原電鉄と改称をして、1964年にはバス会社と合併して宮城中央交通となった。ところが、1969年にはバス部門を別会社にして再び栗原電鉄に戻る。ところが、細倉鉱山の操業縮小、そして閉山に伴って業績が悪化。第三セクター化され、1995年にはくりはら田園鉄道となった。

 変わったのは名前だけではない。当初は軌間762mmの軽便鉄道だったのが、1955年に国鉄在来線と同じ1067mmに改軌されている。さらに、当初は非電化だったが、1950年に電化されており、さらにくりはら田園鉄道となると同時に、経費節減のために再び非電化路線となったのである。
栗原電鉄路線図

  第三セクター化されても、営業成績はあがらず、残念ながら2007年に廃止されてしまった。東北新幹線が開通したものの、近くに駅が設置されることなく、くりこま高原駅まではかなりの距離があった。

訪問:1983年7月、1993年3月、2003年7月


石越駅 始発の石越駅は、東北本線の石越駅前にあった。石越自体が地味な駅であったために、晩年は一般客の利用がほとんど見込めなくなっていった。

1983.7



石越駅の雰囲気のある待合室から、発車を待つM15形電車を見る。Mは電動車のことで、もちろんモーターの頭文字。モハやデハではなく、Mとしたところが、当時はハイカラだったに違いない。

1983.7

石越駅


M15形の車内 M15形の車内。外観は近代的な車両に見えるが、内部はずいぶんクラシックな印象である。

1983.7


途中駅の沢辺。付近には、陸羽街道に面して町ができている。だが、駅は町外れにあって、2回目に行ったときには、日中の利用者はほとんどいなかった。

1993.3

沢辺駅

沢辺~津久毛付近を走るM15形 沢辺~津久毛付近を走る上り石越行き。M15形の単行だ。車両正面には、細倉マインパークのヘッドマークがかかっている。

1993.3


 



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