トップページ
蔵出し鉄道写真館
< 前  37  次 >
100年目の鉄道記念日 (1972年10月)


新幹線品川車両基地 品川駅南方
 

今では「鉄道の日」と呼ぶようになったが、かつては「鉄道記念日」だった。10月14日、日本初の鉄道が新橋~横浜を開通したのを記念する日である。もっとも、その前に品川~横浜で仮開業をしていたらしいので、日本初というのは必ずしも正しいかどうかはわからない。

それはともかく、1972年は鉄道開通100年ということで、とくに盛大に催されて、東京でも各地で蒸気列車が運転された。その一つが、新橋(汐留)~横浜(高島)を走ったC57 7号機客車列車である。
沿線には恐ろしいほどの人が出ていたので、品川駅の南にあるマンションに登って撮影。今なら、不審者で通報されるところである。事実、住民のおばさんに見とがめられたのだが、「今日だけの蒸気機関車の撮影なんです」と泣き言を行って許してもらった。
左の写真は新幹線の品川車両基地。現在は新幹線品川駅や高層ビル街になっている場所である。右の写真が当の列車なのだが、あまりに高いフロアから撮ったので列車の写りはイマイチ。でも、右下あたり、今はマンションが立っているあたりに、昔ながらの木造の家が写っているのが貴重かもしれない。


蒲田駅付近 品川駅
 

左の写真は上り列車だろうか。前後の写真から、蒲田駅構内であることがわかる。手前に手すりが入ってしまってどうしようもない写真だが、沿線に人がびっしりいたので、このあたりしか空きがなかったのだ。
機関車の正面には、警戒のためだろう、2人の係員が乗り込んでいる。命懸けの仕事である。
並行する横須賀線グリーン車のお客さんが身を乗り出して見ているのがおもしろい。
右は、品川駅に到着した客車。列車は14、15日の2日間運転されたようなので、もしかすると、こちらは15日の撮影かもしれない。この日のために赤帯が巻かれ、帯のなかにはIIIの記号が記されて、旧3等車を再現している。


品川駅 品川駅
 

今にも増して、当時の人出はすさまじかった。品川駅ではホームに人があふれてこんな感じ。じつは、このとき、カラーネガフィルムを入れた一眼レフのほかに、モノクロフィルムを入れた二眼レフを持っていた。父親が昔買ったリコーフレックスである。
二眼レフは上から覗き込む形になるので、ローアングルの撮影にも便利。それを逆さまに使えば、手を伸ばして撮り下ろすことができるというわけ。
普通なら、人込みで被写体が見えない場合、カメラを上に出してノーファインダーで撮るしかないのだが、この方法を使えば、ちゃんとファインダーで確認しながら撮れるのだ。
そんな秘技を父親から冗談半分で教えてもらっていたのだが、こう早く使う日が来るとは思わなかった。もちろん、二眼レフだからファインダーが左右反対になるのはしかたない。


田端機関区 田端機関区
 

田端機関区でも一般公開されているというので足を運んでみた。
EF58やDE10などが展示されていたのだが、私の目当てはこのEB10。王子から分かれる須賀貨物線に使われていたのだが、すでにこのときには運転をやめていた。かつての蓄電池機関車AB10を電気機関車化したものだ。模型界では人気だったようである。
左がピカピカになって展示されていた1号機、右は片隅に置かれていた2号機である。
これが動いているところを写したかった。


千葉機関区 千葉機関区
 

鉄道記念日に先立つ9月30日と10月1日、総武本線の千葉~銚子を走ったC57 1である。現在、動態保存されているC57のトップナンバーだ。
このときは、運転区間が千葉以東ということもあって走行写真は撮りにいかなかった。その代わり、運行後に千葉機関区に行くということだったので、西千葉駅から歩いて行ってみた。
案の定、機関区内外は無政府状態で、自由に出入りできる雰囲気。機関庫そばのターンテーブルそばに陣取って、回転する機関車を撮影したのであった。


千葉機関区 千葉機関区
 

ナンバープレート右には、所属を示す「佐」の文字が。これは佐倉機関区を示している。1回走るだけなのだが、こんなあたりは芸が細かい。
機関車はこれまで見たこともないほど、ピカピカに黒光りしていた。


八王子駅 我孫子駅
 

さらに場所は変わって、左は八王子駅のD51 498。その後、JR東日本にも引き継がれて、今でも運転されている蒸気機関車である。このときは記念列車が八高線を走ったのだが、「八高線は、現役で走っているときに撮ったから、もういいや」という気分で、撮りにいかなかったと思う。

右の写真は鉄道記念日とはまったく関係ないのだが、このときのネガに写っていた常磐線我孫子駅の写真。成田線の客車列車を牽引するDE10である。


2014年5月作成



< 前ページ 37 次ページ >

■「よろず話」トップページに戻る | 「蔵出し鉄道写真館」表紙に戻る■