例によって、神田の本屋で5万分の1の地図を物色していると、青梅線の終点奥多摩(旧氷川)駅付近から延びる、鉄道らしきものが目に入った。「奥多摩工業曳鉄線」と書かれており、路線のほとんどがトンネルのなかのようである。 ぜひとも行かねばならぬと決心し、一路奥多摩を目指したのは高校1年生の秋のことであった。 | ||
終点の倉沢付近で橋を渡るトロッコ。写真の下のほうに見える。→ |
所在地: 東京都西多摩郡奥多摩町 訪問日: 1972年11月 |
場所は鍾乳洞で知られる日原(にっぱら)の近く。石灰石を運搬するためにつくられた762mm軌間の軌道であった。 曳鉄(えいてつ)線は、正式には「曳索(えいさく)鉄道線」と呼ぶらしく、線路内に通されたケーブルを使って、トロッコ(貨車)を引っ張るものだ。 |
トンネルの外に出るのは、川を渡る場所など、ほんのわずかの区間。一般人が見られるのは、2か所あった鉄橋くらいである。 ▼ |
||
▲
たまにしか走っていないバスを途中下車して、酔狂にもこんな鉄橋の写真を撮っていたのであった。 |
||
曳索鉄道線の上部に、採掘場から石灰石を運んでくる軌道があるということは、「トワイライトゾ~ンマニュアル3」を見てはじめて知った。 確かに、曳索鉄道の終点付近には、怪しげな線路らしきものが見えていた(上の写真の中央付近)。 この写真を撮って以来、ここには足を運んでいないのだが、まだこの軌道は残っているのだろうか? 暖かくなったら、ハイキングついでに行ってみようかとも思う。 ---- 参考資料 ---- ■『トワイライトゾ~ンマニュアル3』(ネコ・パブリッシング)102~110ページ「奥多摩の地底に潜む鉄道網」渡辺一策氏 |
page 1/1 |
■トップページ | | | 「時刻表にない鉄道」表紙に戻る■ |
ツイート |