日南線、志布志線、吉都線 (1973年7月)
青井岳の国民宿舎に2泊したのち、向かったのは日南線である。宮崎駅0番ホームで待っていたのは、普通列車に連結されていたキハユニ16。正面2枚窓の国鉄気動車を見るのは、これが初めてであった。
隣のホームにはブルートレインの客車が停まっている。また、ホームに置いてある郵便、荷物運搬用の台車が懐かしい。
実は、この日の目的は、加江田森林鉄道だった。
日南線の列車を撮影したのは、その翌日である。じゃあ、日南線沿線で泊まったのかというと、そうではない。日豊本線で夜行ピストン(津久見で上り夜行から下り夜行に乗り換えて戻ってくる)を実行して日南線に戻ってきたのである。
数少ない蒸気機関車の列車を待ったのは、大堂津~油津にある風光明媚な橋。大堂津駅から、線路に並行して走るバスに乗ってやってきた。写真は、キハ10系の3両編成とC11が牽引する貨物列車だ。天気が悪くなってきて、カラーフィルムなのにモノクロ写真のようになってしまった。
日南線の撮影を終えて油津から乗ったのが、日南線・大隅線経由の普通列車宮崎発隼人行き。全線乗ると6時間近い所要時間の列車である。途中の志布志駅で長時間停車(列車番号も変わる)の間に、志布志駅に隣接する志布志機関区を見学した。
C58 277は門鉄デフ付き。C58では珍しい。
左(小画面では上)の写真は、やはり志布志機関区で見た門鉄デフのC11 165。この日は、このあと、鹿児島市内に向かったが、鹿児島で泊まることはなかった。前々夜、前夜と青井岳の国民宿舎に連泊してしまったので、旅費節約のため、連夜の日豊本線夜行ピストンを決行!
翌朝向かったのは吉都線である。右(小画面では下)は小林駅。さすがに寝不足のおかげで、写真だけでなく、頭もぼんやりしていた。
左 (上)は、小林駅のホームで撮ったD51 536牽引の貨物列車。もうD51は珍しくもなんとも感じなくなり、ちょっと変わった写真を撮ろうとしたのがこれ。ホームの花壇越しに撮ってみた。腕木式信号機がアクセントになっている。
右(下)は、小林駅の近くで待ち構えたC55牽引の貨物列車……のはずだったのだが、この日はC55 52が単機でやってきて、少しがっかり。
これも吉都線の写真だが、翌日に撮影した西小林駅付近である。さきほどの小林駅の隣駅で撮影したわけだが、その日も宿に泊まることはなかった。とはいえ夜行ピストンはきついので、桜島港の待合室で夜を明かすことにした。前日に通ったときに、夜通し開いていることを確認したからである。いやはや、元気だった。
宮崎で乗ったC55 57に、ここでも出合った。
左(上)の写真も西小林駅付近。門鉄デフ付きのD51である。D51だと、いろいろと構図を遊んでしまうのであった。
右(下)はその帰り、肥薩線との乗り換え駅である吉松で見た混合列車。客車1両のすぐう後ろにタンク車が連結されていて、ちょっと怖い。
2018年11月公開
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