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時刻表にない鉄道
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木にかける名札を書いている おじさんの一人は、近くのベンチで木の名前を書き、近くの木にかけていた。
あとでわかったのだが、宮崎営林署の「森林パトロール」の人たちであった。

じつに珍しいものを見て、私たちは興奮気味で写真を撮っていたのだが、そんな私たちがまるで目に入らないかのように、彼らは淡々と仕事を進めていった。 仕事が終わってさあ出発

木にかける名札を書いている やがて、一仕事が終わると、トロッコはエンジンの音を響かせながらのろのろと出発していった。
最後に乗り込んだ人が、押して勢いをつけている。

列車は、林のなかに消えていった……。と言いたいところだが、結局私たちはこの列車のあとを追いかけて、丸野にもどることにした。

なにしろ、歩く程度のスピードだから、十分に追いかけていくことができるのである。

林の中を走る列車

起点の駐車場にて
加江田渓谷入口(丸野)の駐車場付近にて。


 丸野には、「加江田渓谷自然休養林」なる看板が立っていた。おそらく、いまでは宮崎市に住む人びとが、自然を求めてやってきているのだろう。
 そんな環境整備のために走っているトロッコに、私たちは偶然出会ったのである。

 ところで、このときの旅の目的は蒸気機関車であった。そのために、友人と5人(あとから来た者もふくめると8人)で、東京駅発朝10時の急行「桜島・高千穂」に乗り、10数時間かけてはるばる九州までやってきたのである。

 もちろん、蒸気機関車もよかった。だが、行く先々でさまざまなものを見たり、いろいろな人と話したことは、まだ高校2年生だった我々にとって非常に大きな経験となった。


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