東京都区内での位置

◆◆ 著 書 ◆◆
定点写真でめぐる東京と日本の町並み
定点写真でめぐる
東京と日本の町並み

(青春出版社)
1,550円+税
2019年10月発売!

本郷タイトル

 戦前まであった本郷区は、現在の文京区の東半分にあたり(西半分は小石川区)、その名を継いだ現在の本郷一丁目~七丁目は、東京大学をはじめとした学校が多くあり、夏目漱石、樋口一葉、坪内逍遙をはじめとする文人が住んだ町として知られている。
 今では本郷のことを下町と誤解して呼ぶ人もいるようだが、本郷こそが台地の端近くに位置する元祖山の手であるということを強調しておきたい。
 ここでは、商店が並ぶ本郷四丁目の春日通りから昔ながらの風情を残す菊坂下にかけて、そして、東京大学正門の向かいにあたる本郷六丁目(旧・森川町)の静かな家並みを紹介したい。この北側に位置する本郷追分から旧中山道沿道の家並みは、「中山道 本郷追分~白山上」で紹介している。


*写真にポインタを置くかタップすると、同じ場所の2021年の写真が見られます。


本郷三丁目交差点

旧中山道をたどる本郷通り(画面の右から左手前)と春日通り(画面の左から右手前)が交差する本郷三丁目交差点。川柳で有名な「かねやす」は画面外の左側の角に建つ。正面の白い小さな2階建てが交番。それを囲むように建つのが「芙蓉堂薬局」、その右の商家は葉茶屋の「長寿園」である。

1980/05(2021/02)



拡幅工事中の春日通り

この写真を撮った当時は、ちょうど春日通りの拡幅工事が佳境を迎えていたころだった。画面の奥が本郷三丁目交差点。右側の奥に丸ノ内線の駅がある。
通りの右側には「天日堂薬局」、左側は「鉄板焼ばんがろう」、葉茶屋「大阪や」の看板が見える。

1981/06(2021/02)



拡幅工事中の春日通り

上の写真から50mほど東側(後楽園寄り)の本郷四丁目交差点近く。昔ながらの木造の商家は、プリマハムの看板が出ているので、肉屋だろうか。

1981/06(2021/02)



本妙寺坂

本郷四丁目の信号から北へ向かう本妙寺坂。右にカーブして坂を降りきったところで菊坂に突き当たる。画面中央右の「旅館 富士館」はすでに営業していないが、2020年現在も建物はそのまま残っていた。

1981/06(2021/02)



本妙寺坂

上の写真とは反対方向に、本妙寺坂が菊坂に突き当たるあたりから坂上を撮ったもの。右奥の石垣があったあたりは、現在は「本郷真砂アーバンハイツ」という大きなマンションになっている。

1981/06(2021/02)



菊坂

これは菊坂をずっと降りていき、現在の本郷五丁目郵便局前から菊坂下を望んだところ。建物はずいぶん変わったが、道幅が同じなので雰囲気は残っている。左の「ヤマザキパン」の看板は昔のままなのだろうか。

1980/04(2021/02)



菊坂

上の写真の場所から振り返って、坂上を撮ったもの。左の古い建物は、樋口一葉が通ったという「伊勢屋質店」。現在は跡見学園女子大学が所有者となり、「菊坂跡見塾」として保存・活用している。

1980/04(2021/02)



菊坂の裏道

菊坂と並行する裏道には、昔ながらの板壁の家が数多く残っていた。このお宅は2021年も健在。外観を大きく変えずに上品にリノベーションされていた。

1980/04(2021/02)






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