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時刻表にない鉄道
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カメラをつねに持ち歩いていたかいがあって、北側(田端寄り)の跨線橋から、たまたま手押しの現場を目撃することができた。
うれしくはあったが、通勤通学客で混み合う跨線橋の窓から顔を出して、そんな情景を写しているのはなんだか恥ずかしかったものである。



中央跨線橋のほうから、土砂を満載した手押しトロッコがやってきた。

手押し風景1
手押し風景2

土砂捨場は北側跨線橋のすぐ北側にあり、いつもダンプカーが出入りしていた。

トロッコの軌道上を歩くおじさん

 日暮里駅を利用したことのある人ならばおわかりのように、トロッコの線路があったところは、いまや新幹線が轟音をたてて行き交っている。そういえば、トロッコの線路はちょうど新幹線のトンネルの入口あたりまで伸びていた。もしかすると、トンネルの土砂も運んでいたのかもしれない。

 いずれにしても、こんな都心の駅に手押しトロッコが出現したなんて、まるで白日夢のようである。いまだったら、カメラを持った人でにぎわったかもしれないが、当時はまったく話題にもならなかった。

 そのうち鉄道雑誌にでも載るかなと思っているうちに、新幹線の乗り入れ工事が進み、いつのまにか線路がとりはらわれてしまったのである。


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